不育症
黄体機能不全
排卵した卵胞は黄体となってプロゲステロン(黄体ホルモン)を分泌します。プロゲステロンは子宮内膜に作用し、受精卵が着床しやすい状態に変化させます。妊娠が成立しないと、排卵から約2週間で黄体は退縮し、プロゲステロンの分泌も止まり、子宮内膜ははがれ落ちて月経が訪れます。
一方妊娠すると、胚が分泌するヒト性腺刺激ホルモン(hCG)の作用により黄体は退縮せず、むしろ活性化してプロゲステロンを出し続けて、子宮内膜は維持されて妊娠が継続します。
黄体機能が低い黄体機能不全は反復流産の原因になるという考え方は昔から存在しており、流産防止のためにプロゲステロンを投与したり、hCGの注射をしたりすることは健康保険診療として認められていますが、反復流産に対するこのようなホルモン療法が有効であると考える医師は日本ではむしろ少数です。