不妊症・不育症の鍼灸治療 女性のための鍼灸サロンvvB

数々の手術後、41歳で第一子を出産

不妊症(不育症)治療・出産体験インタビュー

度重なる疾患・手術を経験したのち、初移植で妊娠・出産に至った事例

回答者プロフィール・治療歴

松木さん(仮名)
神奈川県川崎市 41歳 結婚10年目 ※出産時

2014年(30 - 31歳)
8月 Aレディースクリニック受診
子宮筋腫、子宮内膜症、卵巣嚢腫が見つかる
10月 子宮筋腫、子宮内膜症の手術(B病院)
2020年(36 - 37歳)
1月 子宮筋腫、子宮内膜症の再発確認(B病院)
Cウィメンズクリニックにて不妊治療を始めることを決める
8月 子宮筋腫、子宮内膜症の手術(術後半年は避妊の指示)
11月 vvB鍼灸サロン初診。当院カルテの記載:月経時の体調不良、腹痛、腰痛、吐き気、不正出血(子宮筋腫、子宮内膜症)など
2021年(37 - 38歳)
2月 人工授精1回目(Cウィメンズクリニック)
通水検査
3月 人工授精2回目
4月 人工授精3回目
5月 都内にあるDアートクリニックへ転院
6月 採卵 MⅡ:1個 2日で成長停止
7月 卵巣嚢腫が邪魔で採卵できず(2回)
8月 卵巣嚢腫が邪魔で採卵できず
9月 卵巣嚢腫が邪魔で採卵できず
10月 卵巣嚢腫が邪魔で採卵できず
11月 卵巣嚢腫が邪魔で採卵できず
当院カルテの記載:仕事が忙しくストレスを感じる
12月 卵巣嚢腫が邪魔で採卵できず
2022年(38 - 39歳)
1月 卵巣嚢腫が邪魔で採卵できず
当院カルテの記載:タイミング法、嚢腫を取らない方向でいく
2月 採卵 MⅡ:1個 4日で成長停止
3月 卵巣嚢腫が邪魔で採卵できず
4月 オペ室に入るも卵巣嚢腫が邪魔で採卵できず
5月 採卵 MⅡ:1個 2日で成長停止
6月 オペ室に入るも卵巣嚢腫が邪魔で採卵できず
7月 卵巣嚢腫が邪魔で採卵できず(2回)
8月 採卵→変性卵
9月 採卵→変性卵
10月 AMH値が低く治療見送り
11月 卵巣嚢腫が邪魔で採卵できず
12月 オペ室まで入るも卵巣嚢腫が邪魔で採卵できず
子宮内膜ポリープ、膣子宮内膜症、卵管水腫、子宮頚管ポリープを指摘される
子宮内膜ポリープ日帰り手術、良性。排卵~生理前の期間だったため治療期間に影響なし
2023年(39 - 40歳)
1月 膣子宮内膜症の検査→妊娠に問題なし
2月 採卵 MⅡ(成熟卵):1個 7日で成長停止
3月 採卵 MⅡ:1個 GV(未成熟卵):1個 MⅡが胚盤胞になる
6月 卵管水腫手術
7月 移植(MⅡ)、妊娠
8月 少量の出血があり自宅での安静を指示
9月 Dアートクリニック卒業(10週0日)
B病院受診。時折みられる少量の出血は子宮頚管ポリープによるものの可能性が高いと診察。手術歴があるため、帝王切開での分娩予定となる
少量の出血あり、出血が増えないため様子見
10月 息切れに(出産まで)悩まされる。血液検査の結果、貧血の程度は妊娠前と変わらず
2024年(40 - 41歳)
2月 少量の出血あり(32週)
久しぶりの出血だったため健診とは別に受診。子宮頚管ポリープによるものの可能性が高いと診察
3月 むくみが気になってくる(35週)
妊娠高血圧症候群のため管理入院(36週2日)
臍帯下垂が判明し、緊急帝王切開で出産(37週2日、41歳)

インタビュー本文

インタビュー日時 2024年6月
◆…聞き手

子宮筋腫、子宮内膜症、卵巣嚢腫が見つかる

よろしくお願いします。さっそくですが、31歳でご結婚されてすぐに子宮筋腫と子宮内膜症が見つかってるということなんですが、これはブライダルチェックで見つかったんでしょうか?

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松木さん

いや、ブライダルチェックというわけではなくて、結婚前あたりから生理の時にすごく痛くなっていて、それで病院へ行ったんです。

その時に両方わかったということですか?

その時は子宮筋腫だけだったかな。MRIをとってみたら子宮内膜症もあるようだとわかったけど、実際手術して開いてみないとわからないということだったんです。それで手術してみたら結局卵巣嚢腫が見つかったんです。

子宮筋腫の場所とか大きさって覚えてますか? 

場所は覚えていないんですけど、大きさは最大で6cmくらい。ただ大きさというより、ちょこちょことあって。

多発性の筋腫ですね。妊娠に影響するためというより痛みのために取ったということですね。

そうです。その時は痛みをどうにかしてほしいという。

どういう痛みだったんですか?生理痛のような?

そう、生理痛のような。吐き気っていうか、実際に吐いちゃって。今まで痛いことはあったんですけど、そんな吐くまでのことなんて初めてだったので、最初はなにか違う病気かと思ったんですよね。

生理前になると痛かった?

1 日目、 2 日目で痛かった。腹痛と腰痛と吐き気。

病院に行かなきゃいけないくらい緊急性があったわけですね。

もう病院に行けないぐらい痛くて。朝なんか 5 時ぐらいに痛くなって仕事を休んだり。

(B病院で10月に手術してからも)6年間、Aレディースクリニックに通院されてますね。

子宮筋腫の経過観察、それとお薬をもらってタイミング法とかも。毎回処方されたわけじゃないですけど。

クロミッド?

そうだったと思います。この6年間は私もまあ「まだまだ(妊娠は)大丈夫」っていう感じだったんです。それに仕事が結構忙しく、まあ仕事を優先したつもりはなかったんですけど、結果的にそう。

6年後、子宮筋腫と子宮内膜症の再発

2020年の1月(36歳)、子宮筋腫と子宮内膜症が再発した時はどうやってわかったんですか?

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年末にまた痛くなってきてしまって。それでAレディースクリニックに行ったら、「ちょっとB病院でまたMRIを撮って診てもらった方がいいかもね」となって、それでMRIを撮ってみたら少し大きくなっていたことがわかって、「(子宮筋腫を)取るか、そのままにして薬でやっていくか、または子宮ごと取るか」って言われたんです。この時はすでに36歳で「ここで何かしないともう最後かな」と思って不妊治療に足を踏み入れようと考えて、まず子宮を取るという選択がなくなりました。それで「薬でいくか、手術してきれいな状態にしてから(不妊)治療を始めるか、それともある程度若いうちに採卵をしておいて、それから(子宮を)きれいにしてまたもう一度治療をするのか」をCウィメンズクリニックで聞いてみるように言われました。それでCウィメンズクリニックで行った結果、「まずは子宮をきれいにした方がいいでしょう」となったんです。

Cウィメンズクリニックを紹介されたということですか?

自分で調べてみて「自宅からも近いのでここ(Cウィメンズクリニック)に行こうと思ってます」と言ったらB病院の先生が紹介状を書いてくれたんです。

この時(再手術)は37歳ですね。11月にこちらのサロンに初めて来ていただいています。鍼は初めてだったと思うんですが、鍼灸をやってみようと思ったきっかけは何かあったんですか?

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会社の上司のWさんから紹介いただいたというのが大きいですね。なんとなく鍼は不妊治療と関連性があるのかなとは思っていたんですけど、たぶん紹介されなければ始めなかったと思います。Wさんにこれから手術すること、手術が終わって半年したら不妊治療を始めるので少し休みがちになることを伝えたら「私の行ってるところ(鍼灸院)あるんだけど行ってみる?」と。

人工授精

また治療に戻りますね。2021年(37歳)、Cウィメンズクリニックで人工授精をしていますね。精子の運動率が低かったのですか?

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運動率は高くはなかったですね(※カルテによると38%)。「この6年間、タイミング(法)をしっかりじゃなくなんとなくはやったけどダメだった」という話をしたら、「年齢も年齢だからまず(人工授精を)やっちゃいましょう」みたいな感じだったと思います。Cウィメンズクリニックではタイミング(法)は1 回もやってないですね。

不妊治療を始める前、ご主人と話してどのあたりまで治療をしようと決めていましたか?

どこまでっていうよりは年齢で、40歳ぐらいまでにやれるところまでという方ですね。期間を決めてその中でいけるところ、またいかざるを得なくなるところまでっていう感じで。

体外受精までも視野に入れていた?

そう(体外受精に)なっちゃうんだろうなって思ってました。どこまで大変かというのを認識してなかったけど、でも1回お腹を切ってる以上はやろうと思っていました。

不妊治療クリニックを変更

Cウィメンズクリニックで人工授精の3回目が終わって、それから都内の不妊クリニック(Dアートクリニック)に転院されていますが、もともと人工授精する回数を決めていた?

しっかりとは決めてなかったんですけど、たしか人工授精を数回してから体外受精に進む時には、宮城さん(聞き手)も「他の不妊クリニックへの転院も考えた方がいい」とおっしゃっていたので。

転院先の候補は3カ所あったんですよね。

宮城さんに教えていただいたDアートクリニックとほか2ヵ所。そのうち一つは職場から近くてよかったんですが、ホームページとか動画を見てDアートクリニックに決めました。

この時はコロナ禍でしたが説明会はあった?

たぶん説明会がなくて動画が何本か上がっていたんだと思います。

Dアートクリニックに決めたポイントは?

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低刺激な治療方針であったことが一番の決め手だったんですが、それに動画も分かりやすかったっていうと、あとちょっと(Dアートクリニックの理事長の)М先生が面白そうで(笑)。

(笑)

面白そうって言ったらおかしいんですけど、ちょっと熱意が伝わったというか。

精子検査の結果

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Dアートクリニックの精子検査って厳しいとよく聞くんですが、ご主人も結構言われたんですよね?

「更年期」って言われてショックを受けてました。

テストステロン(男性ホルモンの値)が低かったんでしょうか?

(持参した資料を探しながら)たしか「いいの(精子)が探せばいる」ようなことを・・・(資料が見つかって)あった、「探せばいる」って書いてある。「更年期状態」「少なすぎる」「極めて不良」とか。

その前に行っていたAレディースクリニックやCウィメンズクリニックで精子検査をしましたか?

Cウィメンズクリニックでは検査しました。

その時の検査結果は今ありますか?

ここにあります。(資料を見ながら)「なんとか(人工授精を)やってみる」みたいな。(Dアートクリニックの)М先生はこれを見て「これじゃダメだね、人工授精は意味ないな」と。

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(資料を見ながら)検査の詳しさが全然違いますね。こういうこと(検査内容の差)って一般の方はわからないですね。精子の方も重要なのに。

検査が女性の方に向きがちですよね。それもМ先生が動画で結構言ってて。これのおかげでちょっと夫の”人ごと”感が”自分ごと”感になったかなというのはありましたね。

М先生の印象

卵管造影検査はしましたか?

してないです。(以前の)Cウィメンズクリニックでは通水検査だけ。Dアートクリニックでも移植前に通水検査のみ。

通水検査では問題なかったんですよね?

「Cウィメンズクリニックで問題なかった」とDアートクリニックには伝えたんですが、ただちょっと他の病院を信用してないフシが・・・(笑)。

(笑)М先生は怖くなかったですか?

最初はちょっと・・・いや最後までちょっと怖かったですけど(笑)。ま、そういう先生だって思えば。結構年齢もいってるのに毎日朝から晩までずっとやってて熱意もあるし。

厳しくても先生も頑張ってると思えるということですね。

そうですね。

体外受精

最初の時(2021年6月 当時38歳)は採卵できて、成長が2日で止まってしまっています。

電話して胚盤胞になったかどうかを聞くんですけど、電話口の培養士さんがなんか申し訳なさそうに言っていたなぁと思って。

体外受精をするとすぐ妊娠できると思っていましたか?

思っていました。

皆さんやっぱり思いますよね。ここからしばらく採卵ができない状態が2022年2月まで半年以上続いたんですね。卵は見えてるのに。

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採りづらい位置に卵巣嚢腫が(左右)両方にあったみたいで、消毒してルート(管)をいれるんですけど採れない。「危ないから採らない方がいい」と。この間、М先生でも(別の)S先生でもない他の先生に見てもらうことが多かったんですけど、ある時にS先生に見てもらったら「僕なら採っちゃうけどね」みたいなことを言ってました。結局(???を)刺したから抗生剤とかも出されちゃったりして、それでその抗生剤がたまに体に合わなくて下痢しちゃったりとかして。

そういう時は仕事はお休みですか?

そうですね。午前休みで午後テレワークといっても、ほぼパソコンをオンにしている状態みたいな。

それで、2022年2月に久しぶりに採卵ができたものの、その時も残念ながら4日目で成長が止まってるんですが、この頃のAMH値はどのくらいでしたか?

ずっと低いまま0.1台のときもあって、たまに1いったぐらいかな。値が低すぎて3日目で「来なくていい」と言われた時もありました。

FSHの値はどれぐらいだったんでしょう?

7.3、10.6、7.9・・・たまにちょっと高いと言われる時もありました。13.2。

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それでも高くない方だと思いますね。E2の値は3日目でどれぐらいだったんですか?

44、53。

E2も FSHの値も問題はなかったんですね。

そうですね、あまりに高かったとか低かったっていうのは治療中1回か2回で、値で悩まされたことはあまりなかったですね。とにかく「嚢腫で見えない」「わからない」が多くて「また2日後にきて」みたいなことの方が多かったですね。ただ、語弊があるかもしれないんですけど、オペ室に入ったのにダメだったよりは、この段階でまだ良かったかな。

仕事への影響の不安

治療中に仕事をお休みされましたね?

精神的なものと、それと体調がちょっと悪くなったので。(2021年)5月。

やはり不妊治療と仕事の両立が大変で?

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子供ができるかどうかの不安よりも、これから結構頻繁に休むことになるのに(子供が)できなかったらどうしようという不安で。

体に何か変化があった?

体よりは精神的。眠れないとか食べられないとか。

病院に行った際に出された診断は?

なんだったかな・・・ああ、適応障害。

今までそんな風に不安になったことはなかったんですか?

そうですね。この5月の時期は不安で考えちゃってました。

この頃はお仕事は忙しかったですか?

ちょっと忙しかったですけど、でも(資料を見ながら)この(2014年~2020年の)6年間に比べたら全然。

休みの期間は決めて?

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5月の終わりぐらいから忙しい6月と7月の中旬ぐらいまで休もうと思って。

2ヶ月ですね。お休みを取ってよかったと思いますか?

寝られるようになったのでお休みを取って良かったと思います。その間、結局(妊娠)できなかったですけど「明日でも(病院に)呼ばれたら行けます」みたいな感じで始められたからよかったかもしれないですね。最初から病院に頻繁に行って仕事もいきなり両立っていうのだとやっぱどこかでくじけちゃうというか、行き詰まっていたかもしれないですね。まずは2ヶ月ぐらいで治療のスケジュールを整えて(治療ペースが)こんなものかって分かってからまた仕事もスタートして。

それ以降は不安になることはなかったですか?

あったとは思いますけど、それまでの比じゃないというか。思い返すとなんであんなに不安だったんだろうかと思います。

治療で使用した薬

Dアートクリニックでお薬はどういった具合で出されていましたか?

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採卵前にセロフェン1/8ですね。最初2回は成功報酬型だったので出ていなかったと思います。たまに10日目に行った時に「ちょっと1/4に増やしてみようか?」というのもありました。セロフェン以外は卵胞を育てるためだとかで、2021年の10月だけゴナールエフを打っていて、それ以外の薬は採卵前のボルタレンとか抗生物質とかです。

お薬が少なかったから動きやすかった?

それは大きかったと思います。

Dアートクリニックは薬が少ないということで転院してこられる方もいらっしゃるようですが、薬が少ないからできる卵の数も少ないですよね。さらに転院を考えたことはありましたか?

考えたことはあります。でもやっぱりAMH値が低くて、М先生が「少ないものにいくら薬を入れてもそれは変わらない」「ゼロにいくらかけてもゼロだ」って言ってるのを聞いて、反発を覚えるよりも「確かにそうかもな」「このままでいった方がいいかな」と思いました。転院していたらもっと早くできてたのかもしれないし・・・どうなんでしょう。最終的には良かったんですけどね。

一度に複数の疾患を指摘される

2022年12月(39歳)、オペ室に入ったのにまた卵巣嚢腫が邪魔で採卵できなかったのですが、しかも同時に子宮内膜ポリープ、膣子宮内膜症、卵管水腫、子宮頚管ポリープを指摘されたんですね。

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たぶん(オペ室に入っても採卵できなかった2022年)4月、6月はМ先生じゃなかったんです。この12月はМ先生で、その先生でも採卵ができない位置にあって、その時に「なんだこれは?」みたいなことで(笑)。それでS先生に診てもらったら「確かにあるね」と。「採卵の時に見ない所なのに、М先生はよく見つけたね」というようなことをおっしゃっていました。たまたまだったのかわからないんですけども。

卵管水腫は見つけるのが難しいと言われていますね。

S先生から(ほかの医療機関で)MRIを撮ってきてと言われて、卵管水腫はそこで最終的に判断がついたという感じでしたね。(その手術は)12月にはできなかったんですが、子宮内膜ポリープは発見してから3日後くらいですぐ取ることになりました。

子宮内膜ポリープはDアートクリニックで取った?

そうです。

膣からですか?

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はい、たぶん12月25日だった。

すごいクリスマスでしたね。この間、ご主人はどんな感じ?

本当に仕事が忙しかったみたいで、夜勤もあってあんまりコミュニケーションが取れず、なぜ私が病院に行っているかもわからないままでした(笑)。

Dアートクリニックは精子凍結でしたよね?

そうです。

ということはご主人はあまりもう出番はないというか。

2022年の6月に採って(採精して)凍結してからは行ってないです。

膣子宮内膜症の方は?

よくわからないんですが、12月の採卵の時に「肉芽がある」と言われて、でもそれが良性なのかどうかDアートクリニックではわからないので(以前に行っていた)B病院へ紹介状を書いてもらって、そこでその肉芽をちょっと取って検査してもらいました。

これも経膣で取ったということですね?

はい。

初めての胚盤胞、移植、妊娠

それで問題はないことがわかって、また採卵が始まり、そこから続けて二度卵が採れてるんですね。

そうなんですよね。なぜか。

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そしてこの2023年3月に採れた卵が胚盤胞になった。初めての胚盤胞でしたよね。

また「どうせダメなんでしょ」と思って電話したら「本当にですか?」みたいな。2つ採れて、でもこっち(片方)はダメだろうねみたいなことを最初から言われていて。

その初めての胚盤胞が移植して出産まで至ったんですよね。これが5日目胚盤胞。やっぱり優秀だったんですね。それでこの移植前に卵管水腫の手術をしていますけど、この手術は勧められたんですか?

そうですね。「移植する時にはやらないとダメだよ」とS先生から言われて。

この時は入院でした?

3泊4日の入院です。

お仕事はお休みされたのですね。

でも週末にかけてだったのであまりおおごとにならず。入院が金土日月で、火曜日も休んで水曜日に復帰しました。

1週間も経たずに復帰。すごい。手術は腹腔鏡でしたか?

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はい。いっぱい切りましたね・・・手術を見送ることも考えたんですけど、せっかくの卵を無駄にしたくないと思って。この3月でちょうど40歳になったし、もうここでそろそろ(不妊治療を)やめようか、移植も最後になるだろうと思って手術をしました。それに(不妊治療の)保険適用が始まった時期だったというのもありました。S先生からも「保険でもいいんじゃないの?」と言われたんですが、そうなると混合ができず、成功するにしろ失敗にするにしろ、まずこの自由診療で採った卵をどうにかしないと保険適用の採卵周期に入れなかったんです。だからまずはこの採れた卵を移植する。移植するにはもう絶対手術をした方がいいって言われたんです。

Dアートクリニックでは移植後4日目に行ってHCGの値を見るんですよね、どれくらいでしたか?

8.3。

その次は?

7日目で 92.4。12日目で1057。

次はきっと胎嚢確認ですよね。

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そうですね。17日目で胎嚢が確認。

結構HCG値を気にしてる方が多いので参考までにうかがいました。こういう風にデータを出してくれるところってなかなか少ないし、とても丁寧だと思います。

自由診療だったから結構細かく。

保険診療だとこんなにまめには通いませんね。

夏で暑かったんですけど不安だったので通いました。

胎嚢確認後の出血

胎嚢が確認できた後に出血があって自宅での安静を指示されたということだったんですけど、これは何が原因だったんですか?

「胎嚢の形が悪い」「筋腫の影響もあるかもしれない」と言われました。ほかに「出血の痕がある」「曲がっとるな」「安静にしといて」みたいな。「『曲がってる』って何?」みたいな(笑)。

その説明はありました?

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あんまりないですね。「どういうことですか?」って聞ければいいんですけど、理解するまでに時間がかかっちゃって。待合室で「『曲がってる』ってなんだろう?」って(笑)。先生はすぐそこにいるのに待合室で調べちゃう。

先生に聞きにくい?

聞きにくい雰囲気でしたね。その後にまた薬で呼ばれるので、そこで看護師さんに聞いたり。

産院

10週で不妊治療のクリニックは卒業。産院はどうやって決めましたか?

2回手術もしたB病院かなと思ったんですが、無痛(分娩)でできないかなと思って(ほかの病院にも)問い合わせをしたんですけど、40歳で手術歴があって不妊治療歴もあるということで「診られない」と断られました。他の病院もあったもののやっぱり遠くて、通うのが現実的なのはB病院か(近くの)N病院だったんですが、М先生に「病院どこ考えている?ここ(B病院)と(近くの)N病院があるけどそこはダメだよ」って言われて。

え?そのダメな理由は?

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「10週で紹介状を書くと『遅い』って文句言われる」と。「それって先生の都合ではないでしょうか・・・」と思いつつ(笑)。それでМ先生に従ったという感じでB病院。

素直ですよね(笑)。

再出血・妊娠高血圧症

9月に頚管ポリープによる出血があった。

この時期だとまだ何の出血かわからないけど、「そこ(頚管ポリープ)からなんじゃないか」とB病院で言われました。

この時期はお仕事されてますよね。お仕事は在宅にするなどしていたんですか?

この時2週間ぐらいは全くの本当に安静で、勤務上も休みにしてもらってました。何かあったら「メールだけ見て」みたいな。ただその月には普通に仕事に行っていました。在宅もちょっと多めに週2、3回ぐらい。

36週目の3月から管理入院になったんですね。妊娠高血圧症は急に症状が出たんでしょうか?

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血圧は今まで健診の時しか測っていなくて、35週くらいから自宅でも測りはじめていました。その2週間前までの健診では大丈夫だったんですが、「なんかむくんできたな」って自分でも気がついて、それで血圧を測ってみたら144/100と高くて、次の健診で先生に相談したら「絶対にというわけじゃないけども、入院した方がいい」と言われたんです。

入院していた方が安心ですよね。急に破水したりとか怖いですからね。

「明日から入院大丈夫?」って言われ「大丈夫です」と。

臍帯下垂・帝王切開・出産

そしてすぐ1週間後に臍帯下垂。破水前に臍帯が赤ちゃんより先に下がってきてしまった。

エコーと内診をしてみたら先生がなんかそわそわしてきて、「なんだろうな」と思っていたら先生が臍帯下垂を説明しだして。月曜日の午前中にそれが判明して「火曜日の午前中にもう一度見て状態が変わっていなかったら、37週まできてるから水曜日の午前中に帝王切開で出しちゃいましょう」と。そして火曜日の午前中に診てみたらやっぱり臍帯下垂のままだったので「じゃあ水曜日の朝にやりましょう」となって午後には支度をするように言われていたんですが、そうしたらその夕方に先生が来て「カンファレンスがあってみんなで確認したんだけど、夜も越すと何かあった時に危ないからこれから(帝王切開を)やろうと思うんだけど、どう?」と。「どう」も何も(笑)。本人の承諾を得てからっていうのがあるんでしょうけども。

それで緊急帝王切開に。

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手術室もたまたま空いていたみたいで、「今からってどのぐらいですか?」「30分後」って。手術が決まったらそこから早くて、さっそく着替えてコンタクトもとってみたいな。はずす時に慌てて震えちゃって落としたんですけど「諦めてください」と言われて拾わせてももらえず。

本当に緊急でしたね。

健診では36週2日目で「2900gぐらい」と言われていて「大きめだね」って言われていたのに、生まれたら2400gをきっていました。筋腫があったりすると結構体重は変わってくると言われたんですけど「変わりすぎじゃない!?」と(笑)。

妊娠中の食事

たしか生ものも食べていたんですよね?

初期は食べていなかったですね。つわりもほとんどない方ではあったんですけども、安定期に入ったぐらいから「今のうちにいろいろと出かけておこう」となってきて、ホテルのビュッフェに行ったりしました。そうしたらローストビーフとかあるので・・・なるべく火が通ってるあたりとか。(笑)

(笑)生魚は?

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安定期に入って義理の親に(妊娠を)伝えるとお寿司が出てきたので(笑)。(妊娠中、生魚を避けるように)あまり言われてない時代だったのかわからないんですが、行くたびにお寿司がでてきて「ありがとうございます、ありがとうございます」と(笑)。一応控えてはいました。お茶もカフェインも少し控えてノンカフェインをなるべく選ぶようにして、自宅だったらずっと麦茶を飲んでいて、外の時には水にしたりとかにしていました。

不妊治療へのご主人の関わり

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ご主人はタイミング法や人工授精の段階まで、どちらかというと協力的な方だったのでしょうか?

そうだったと思います。でもやっぱり「そんなにやらなくても何とかなるんじゃないか」と思ってたんじゃないかな。夫も仕事が忙しかったのでタイミング法といってもなかなか・・・。

タイミング法の方が難しいっていう方もよくいらっしゃいますね。

今日じゃなくても明日でも。明日になったらまた次の日でもみたいになっちゃって。クリニックだと「この日にやるぞ」となる。まあ一応そこに向けて多少調整はしてくれるんですけど。

今はお二人とも育休を取られてるんですよね、ご主人の方の1年間お休みというのは珍しい方だと思います。不妊治療中、ご主人側に求めることはありますか?特に今回何度もあった採卵をする時の奥さんへの接し方とか。男性にはわかりにくいかもしれないんですけども。

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採卵の日はもうちょっと気にしていてくれるともっとよかったかな。「今日どうだった?」とか「次はいつ行くの?」とか。(こちらが)言わないとそういうのがなかったんです。「今日行ってきたよ。次は明後日行く」って言っても、明後日には忘れてたりする。もうちょっと採卵時にも関心を持ってほしい。ただそれは夫に「しようがない」って言われました(笑)。採卵の時はまだ(何も変化が)見えないからかもしれないです。移植してからは「今日何cmになってた」とか、目に見えて成長がわかるものだとやっぱり気になってくる。この子宮内膜ポリープの手術の時も夫が昼夜逆転みたいな生活になっていて、手術後に旅行に行く計画をしていたんですが、(手術後は)お風呂に入らないように言われていてシャワーしか入れないと言っていたのに、旅行中「なんで?」って、もう忘れてる。

不妊治療中、これから開始する方へのメッセージ

不妊治療をしている人、またこれから不妊治療を始めようとしている方にアドバイスとかありますか?

その時は流れに身を任せてただけ。振り返ってみると、いろいろな方とのめぐり逢い、支えや気遣いがあってたまたまここまで来ただけだと改めて思いました。なので今治療をしている方に私が「これをやった方がいい」とかのアドバイスは本当に無くて、「とにかく応援しています」それしかないです。治療に迷っているのだったら「まずは始めたほうがいい」と言いたいです。私は40代、初産、手術歴あり、不妊治療歴ありといったハイリスク妊婦だったので。少しでもリスクが少ないほうが不安の少ないマタニティ期を過ごせるのではないかと思います。

不妊治療中、こうすればもう少し楽に乗り切れるというようなアドバイスはありますか?

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なるべく一喜一憂しない。あと仕事を休まなきゃいけないというより「仕事を休めるぞ」っていう感じ。仕事に行くよりも(クリニックには)ちょっとだけ朝遅く行けたので「1時間遅く起きられる」みたいな。ちょっとでもポジティブにって感じですかね。クリニックで治療が終わったらちょうど昼ぐらいなので、今日お昼に何を食べようかなとか。「ちょっとでも長く寝られる」「東京に行って何食べよう」っていう楽しみを少しでも見つけている。

不妊治療をネガティブに捉えない?

あ、検索はしちゃいますよね。すぐ検索しちゃう。妊娠期間中、安定期に入って胎動を感じても本当に産まれるのかと不安で変わらず検索魔になっていました。

検索を減らした方がいいと思いますか?

たまにどうしたら良いのかわかることはありますけど、(検索して)あまりいいことないと思います。今でも赤ちゃんの事について気になることがあればすぐに調べちゃうんですけど。目が悪くなったなってちょっと思います。

今日は長い時間ありがとうございました!

ほか事前質問の回答より

試した漢方薬やサプリメント、運動

葉酸サプリを飲んでいました。運動はしたほうがいいと思っていたものの、すぐに息切れしてしまうためできず、むしろ体力はだいぶ落ちました。

治療中に感じた不安やつらさ

「そこまでして本当に子どもが欲しいのか」と悩みながら通っていました。また、検査や採卵の結果などですぐに検索魔になっていました。そのため一喜一憂せずなるべく「無」でいるようにしたのと、治療の隙間を見つけては旅行に行っていました。採卵時の痛みなどはもちろんありましたが、治療方針が低刺激だったせいか身体への負担が少なかったのは幸いでした。

妊娠がわかった時の気持ち

嬉しさもありましたが、信じられないという気持ちと、この先どこかでダメになってしまったらという不安のほうが大きかった気がします。

職場の治療に対する理解、仕事への影響、周囲への相談

人事異動で3~4年で部署が変わったり、部署が変わらなくても担当する仕事が1年で変わる可能性のある職場なのですが、不妊治療期間中は幸い外部とのやり取りがほとんどない仕事内容だったので、通院との調整がつきやすかったと思います。 上司には不妊治療経験者もいたので職場の理解もあったほうだと思います。ただ、同僚の方には「通院」としか言っておらず、突然の打ち合わせ日程変更などで迷惑をかけてしまいましたが、皆さん快く応じてくださって感謝しています。

妊娠を報告した週数

妊娠を報告したタイミングは、職場の直属の上司には9週くらいでした。本当はもう少ししてから報告したかったのですが、主治医から自宅安静を指示され2週間くらい仕事を休むことになってしまったために早めの報告になりました。そのほか親や義親、親しい友人、職場の同じチームの方たちなどには安定期に入ってから報告しました。

PGTーA・PGTーSR(着床前診断)検査

受けていません。

出生前診断検査(NIPT・羊水検査)

受けていません。迷いましたが、すべての異常がわかるわけではないこと、異常があったら中絶するという決断はできなかったことから受けませんでした。

つわり時の過ごし方

幸いご飯が食べられなかったり吐いたりするということはありませんでした。ただ、すぐ息切れしてしまうため、迷惑をかけないように夫以外の人と出かけるのは控えていました。

胎児の向き

妊婦検診で何度か横位と言われましたが、鍼治療していただいたほかは当初から帝王切開での分娩予定だったため、何もしませんでした。その後、出産(37週)時点では治っていました。

病院・クリニックの評価と選ぶためのポイント

結果が出たからかもしれませんが、自宅から通いやすいクリニックよりも少し遠くても最新の技術と豊富な症例数のあるクリニックに転院してよかったと思っています。主治医は話を聞いてくれるタイプの先生ではありませんでしたが、なるべく「無」で通うようにしていたので、私にはあっていたのかもしれません。

治療開始前~終了後の不妊治療に対する認識の変化

正直、不妊治療という人の手を介してまでやるかという思いがあったのですが、治療を受けているうちに、治療といってもできることには限界があり、「結局は自分の身体にかかっている」と思いました。採卵しても胚盤胞まで育つかどうか、移植しても着床~妊娠までできるかどうかは治療でどうこうできるものではないのだと思い知りました。(もちろん先生や培養士さんの技術には感謝しています!)

聞き手の感想

不妊治療中の数々の困難を乗り越えられ、常に客観的な視点で自己を捉えられている松木さん。ご自身の意見をしっかりと持ちつつ、アドバイスを素直に受け入れる柔軟な姿勢が印象的でした。

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