不妊症・不育症の鍼灸治療 女性のための鍼灸サロンvvB

卵巣嚢腫,精索静脈瘤を克服

不妊症(不育症)治療・出産体験インタビュー

卵巣嚢腫,精索静脈瘤の手術をして体外受精にて妊娠・出産に至った事例

回答者プロフィール・治療歴

弓下さん(仮名)
神奈川県川崎市 36歳 結婚 3年目 ※出産時

2013年
4月 近所の婦人科で不妊治療開始、排卵チェック、タイミング療法
不妊専門鍼灸院に通う
5月 フーナーテストの結果が不良、運動率の低さを指摘される
8月 不妊専門鍼灸院の通院をやめる
9月 Rクリニックへ転院
10月 人工授精。男性不妊の可能性を指摘される
11月 人工授精
12月 お休み、体外受精を勧められ説明会に参加
2014年
1月 体外受精(顕微授精)2コ採卵→1コ胚盤胞→凍結
2月 移植、着床せず
当院に通い始める
3月 重度の精索静脈瘤を発見
4月 体外受精(顕微授精)2回目 1コ採卵→3日目胚→凍結
子宮鏡検査でポリープ発見
5月 移植、着床せず
6月 ポリープ切除
7月 体外受精(顕微授精)3回目 4コ採卵→1コ胚盤胞→凍結
8月 移植、着床せず
精索静脈瘤の手術
9月 Wクリニックへ転院
10月 体外受精(顕微授精)4回目、新鮮胚移植、着床せず
11月 体外受精(顕微授精)5回目、採卵ゼロ
12月 お休み(鍼灸もお休み)
2015年
1月 体外受精(顕微授精)6回目、1コ採卵→胚盤胞にならず
2月 遺残卵胞のため治療中止。鍼灸治療再開。
3月 体外受精(顕微授精)7回目、2コ採卵→1コ胚盤胞→凍結
4月 移植、妊娠
12月 39週で出産 約2900g

インタビュー本文

インタビュー日時 2016年7月
◆…聞き手

卵巣嚢腫で右卵巣を摘出

不妊症・不育症治療体験談インタビューイメージ
弓下さん

よろしくお願いいたします。さっそく不妊治療について伺ってまいります。ご結婚後半年でご近所のレディースクリニックに行かれていますが、どういうきっかけで通うことになりましたか?

卵巣嚢腫を1回やっていて、たぶん(赤ちゃんが)できにくいと自覚していたから。まあすぐにでも作りたかったんですけど、主人の意向で挙式を待ってから、その後。たぶん彼はすぐにできると思っていて、二人の時間をちょっと欲しいと言っていたので。挙式終わって1ヶ月位、ハネムーンとかも終わって、普通に妊娠した友達から「(排卵)検査薬を見たほうがいいよ」みたいな。そういうのもあって3ヶ月くらい自分で検査したのかな。化学流産も何もなかった。基礎体温を測りながらしたんですけど、何も(妊娠の)兆候がなかったので一度行ってみようかということで、自主的に行きました。

卵巣を摘出されたのが28歳の時、卵巣嚢腫があるとわかった経緯は?

わかる前、すごい腹痛が2回あったんですが、2回とも病院の内科に行ったんですけど、たぶんねじれが戻ってしまったためか、単なる腹痛、胃腸炎ということで済まされて。卵巣嚢腫の発見自体はされなかったんですね。それから1年経った時には痛みが治らなくて我慢できなくて、薬も受け付けなくなっちゃって、結局入院して検査になったんですけど、CTみたいのでもわからなくて、最後の最後で「もしかしたら婦人科系かも」ということで、内診したら「今日手術しましょう」みたいな。

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その日のうちに手術を?

朝一の発見で、3時くらいに(笑い)。破裂しちゃう人もいるみたいなんで。

大変でしたね。

はい。その前に一回、近くの町医者みたいなところで内診されたんですけど、その時は発見されなかったんですよね。

それで右卵巣を?

両方とも(卵巣嚢腫が)あったんですけど、右は完全に壊死しちゃっていた。左も結構あったようで、その部分をとりました。

この時、先生から将来の妊娠について何か言われましたか?

私はあまり考えていなかったんですけど、母親がよく話を聞いていました。「ちゃんと生理もくるから(卵巣が)一個あれば大丈夫ですよ」と。確かにそれから毎月生理が来たので問題ないのかなと。

周期も乱れることもなく?

ぜんぜんなかったです。

最初のクリニックからすぐに転院

最初に行ったレディースクリニックは不妊専門ではないんですよね。

はい、ほとんど一般だと思います。

どんな検査をしたか覚えていらっしゃいますか?

エコーで見たら「結構残り少ないので、これはちょっと急いだほうがいいですよ」と先生に言われて「え!?」と。そこまでないとは思っていなかった。

フーナーテストもしていますね。

検査に行った後、ホルモン値にも特に問題ないのに、タイミング(療法)を1,2ヶ月してダメだったので「ちょっとご主人を診てみましょう」と言われて、しぶしぶ検査をしてみたら「結構(問題が)あるかもしれない、人工授精くらいした方がいいですよ」と言われました。

しぶしぶ検査した?

「なんで俺が」「(精液を)提出するの!?」みたいな(笑い)。

それから不妊治療専門のRクリニックに転院をしていますね。

Rクリニックは初診を1ヶ月くらい待たなきゃいけなかった。

このクリニックを選んだキッカケは?

わりと近辺で実績があって有名だと口コミで。あとから行くWクリニックに比べると、わりと小規模な病院だった。

どんな検査をしましたか?

最初のクリニックで卵管造影検査はしていました。フーナーテストの前にやっていたと思います。Rクリニックでは「すぐに人工授精しましょう」みたいな感じだったと思います。

ご主人の精子の運動率の低さは伝えていましたか?

伝えてなくて、当日のAIHの精液検査でわかった。

男性不妊の可能性があると。

そうですね。

それから人工授精を2回。

病院には最初の人工授精の段階で説明会の紙を渡されて「体外受精を考えたほうがいいですよ」と言われました。(体外受精の)説明会に行くまでの期間。お金も結構かかるから2回くらい頑張ってできなかったら体外受精に進もうと主人と話しました。

それまで体外受精の可能性は考えていましたか?

考えていなかったですね。全然知識もなかったし。

2つのクリニックで精子の運動率の低さを伝えられて、ご主人はどうお感じになったのでしょうか?

まだ精索静脈瘤が見つかる前だったのでそこまで深刻に考えていなくて、単純に「仕事で疲れているんだろう」とか「食ベ物のせいだろう」とかみたいな感じで。処方された薬を飲んでもらったり、パンツをあまり締め付けないようにしてトランクスに変えてもらったりとか、そういうことから始めてもらってました。特にそれは嫌がらなかったですね。

体外受精

Rクリニックでは採卵・移植を3回していますね。採卵誘発方法は覚えていますか?

自己注射と病院で筋肉注射。クロミッドは飲んでいなかったと思います。あまりうまく誘発できていなかったから、3回目の時に私が「薬の量を増やしてください」と。

卵の数を増やしたかった。

採れても2個だったので、もうちょっと採れて欲しいなと思ったんですよね。

1回目は移植して陰性、2回目の時に子宮鏡検査をしているんですよね。

1回目がうまくいかなくて病院の方から「一度(検査を)やってみましょう」と言われて、2回目の採卵の後ポリープが見つかった。「すぐに取るには予約の関係もあって1ヶ月位かかる。今凍結している分をどうしますか?」という話で、それで(卵を)戻してもらったんですよね。

ポリープを切除せずに移植した。

「それが原因とは限らないからどうしましょう」と。

カルテを見ると、先生の方が「時間を無駄にしたくないから」と言っていたと。

自分としてもそうだったと思います。

2回目の採卵の時はちょっと大変だったんですよね。たしか卵巣が奥の方にあって……

1回目は局所麻酔でやったんですけど、それがすごく痛くて。2回目は静脈麻酔をお願いしました。痛さはなかったんですけど、あとから先生から「意識なくてよかったね、結構(卵巣が)奥だったから取るのが大変でしたよ」と言われました。

それでポリープを移植後に切除したんですよね。

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はい、結局陰性でダメだったんで「取ろう」ということで。

ポリープ切除の手術はどのように?

確かレーザーで。個数はそんなになく、きのこのような形で数ミリ。

着床には影響ない大きさだった?

うんうん、そこまでない。

採卵3回目は、卵の数が増えて4つ採卵できていますね。

今まで鼻にするスプレキュアをやっていたんですけど、「スプレキュアでもいいし病院でHCG注射でもいい」と言われて、夜に行って注射をしてもらうことにしたんですよ。卵が4つ採れたのは、それもよかったのかもしれないと思います。

それで1つ胚盤胞になって凍結、移植をしていますが、その前に初めてシート法をしていらっしゃいます。これはどうして試そうと?

(不妊)治療するのがもう嫌だからできることは全部やろうと。病院としてはオプションなので「別におすすめはしません」みたいな感じだったと思います。

しかしそれでも陰性で。移植2回目の時はHCGの数値が”2”ほど出てるんですよね。カルテには先生から「着床した」というふうに言われたと書いてあります。

尿検査をしたんです。そうしたらちょっと(陽性の反応が)出ていると、それでいちおう血液検査をして30分くらい待ったら、結局(反応が)出なかった。もしも(陽性が)出ていたら次の治療に影響するだろうから、念のため検査したんですかね。

精索静脈瘤

1回目の移植を終わった後、ご主人の精索静脈瘤の検査をしてます。これはRクリニックの泌尿器科でされたと伺っています。

月一回、Rクリニックに先生が来てくれて、2回目の移植の際に「(ご主人の方を)診たほうがいいかも」と。かなり(精液の所見が)悪かったんですね。たしかもろもろ悪く、特に運動率がひどくて数値が一桁くらいで。予約をとってもらって、すぐに泌尿器科の先生に診てもらったら、触診どころか、もう「眼で見てわかるレベルのもの」と言われて。

それは左右どちらでしたか?

確か左。血の巡りの関係でほとんど(悪くなるのは)左らしいんですね。「要手術のものがあります」と。

ご主人はどんな気持ちだったでしょうね。

今までの検査よりもダイレクトに「ガーン」になっていたと思います。たしかいろいろ処方してもらって薬とかで治療してたのかな。血流を良くするタイプのユベラという薬で、たぶんその副作用で鼻血がやたら出ていたと思うんです。それでもダメだったから手術をした。

手術はどちらで?

「入院が要らないクリニックは一年くらい待たなきゃいけない。普通の市立病院だったら2,3日入院になるけど早く手術ができるかもしれない」と言われて、結局市内の病院を紹介してもらいました。

手術はどんなもの?

結索です。そうすると血行が止まるけど「そのうち別の場所から流れていくから大丈夫」と言ってました。術後すぐはしんどそうでしたが、それから後は大丈夫そうでした。そんなに痛いとも聞かなかったし。

ご主人は入院するのに休みをとったわけですが、会社には治療について伝えていらっしゃったのでしょうか?

なんか言っていたみたいですね、信頼できる上司に。ちゃんとその理由で休みを取ったと言ってました。

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手術後、すぐに良い結果は出ましたか?

すぐに(術後1ヶ月で)Wクリニックに転院をしちゃったんですが、最初に移植したときはそこまで良くなかった。ちょっとは回復していたんですけど「半年くらいはかかる」ふうなことを聞いていたので。それ以降、年末(術後3ヶ月)くらいには平均くらいまで回復してましたね。運動率60、70%くらいまでは。すごい嬉しそうだったのを覚えてます。

Wクリニックに転院

Wクリニックに行って排卵誘発の仕方が変わったと思いますが、どのように変わりましたか?

誘発はクロミッドのみでしたね。

Wクリニックに行って採卵は無麻酔になりましたが、当時のカルテには「無麻酔だったら毎月採卵してもいいな」と書いてありました。

注射もしなくていいので痛みも体の回復も全然違くて、確かに毎月採卵できるくらいに体への負担が軽かったんです。早いし。あとスケジュールをさっと教えてくれるんですよね。3日目に行った時に「(採卵が)いつくらいになりそうですか?」と訊くと、だいたい「この日かこの日かな」と言ってくれるので、休みをとりやすかった。

周囲への相談

弓下さんはフルタイムで仕事をされてましたよね。転院して通いやすくなった?

前より通院の回数が減ったのでたすかりました。

職場の方には不妊治療のことは言ってましたか?

たぶん誰にも言ってなかった。

周囲の方には?

親を含めて、主人の友達の奥さんとか不妊治療をしている方がいたので……ほかの人にもわりと言っていたかな。

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職場以外では話をされていたのですね。

仲のいい人にはだいぶ話していました。

カルテには「幼なじみの方が不妊治療をしていたことを知ってすごいスッキリした」と書いてありました。

そうなんです。向こうも「顕微(授精)なんだ」「うちも同じ」みたいな(笑い)。

すごく話しやすいですね(笑い)。

まるで”不妊治療あるある”みたいな。たまに愚痴って。

連続して採卵できず

Wクリニックで2回目の採卵の時、採卵がゼロだったんですね。

クロミッドも飲んだんですけど、卵胞はあるけど中がなくて空胞でした。卵胞は1,2個あったんですけど、採ってくれた先生曰く、「いい(卵)のだと周りの液体がグーッと入ってくるのが、サラサラーとしていて、手応えがなかった」と。卵巣の見た目は普通だしホルモン値は普通でも、実は使いすぎて「もう卵巣に疲れがきちゃっているんじゃないかな。排卵も卵巣が一個だから負担がかかっちゃっているんじゃないか」みたいなことを言われて。

たしか”質の低下”を初めて指摘されたということでしたね。

結構ショックでしたね。あまり質のことを考えていなかったので。

その後、2ヶ月ほど休まれてますね。

鍼も含めて一旦休もうと思って。たぶん海外旅行にも行っていたと思います。

そのお休みのすぐ後に再開した採卵では、残念ながら胚盤胞にはならなかったんですね。

この時は採卵一個だった。Wクリニックではモニターも見ながら採卵するんですけど、培養士さん(?)が隣にいて、採る時に「入ってます」とか「(卵が)ありました、何ミリです」とか声掛けをするんですよね。確かこの時、卵がなさそうな用語を言っていたんですよね。「これから探してみるから」とか採卵してくれた先生が言ってくれて、そうしたらなんとか「一個ありましたよ」と確か言われました。

見つかって嬉しかったですね。

「(嬉しそうに)お願いします」とか(笑い)。2ヶ月連続で(卵が)採れなかったらショックだったんで。

それで翌月は……

それで続けて採卵しようと思ったら、なんか残ってて……(笑い)「今回はダメです」と。

遺残卵胞があって治療中止だったんですね。

たぶんホルモン値がおかしくて、Wクリニックって1回目の通院の時は内診しないはずなのに、内診室に呼ばれてそこで「ありますよ」と。

E2(エラストラジオール)の値ですかね。

たぶんそうだったと思います。

遺残卵胞が見つかって対処法はどんなでしたか?

たしかピル(ソフィアA)を飲んだのかな。3日か5日か。それで生理を無理やり再開。

このあたりで鍼灸治療を再開されてますね。

鍼灸院

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鍼灸治療院には当院の前にも行っていらっしゃいましたね。

はい、前に別の不妊専門の鍼灸院に行ってました。

最初に行ったレディースクリニックと同時期に始められたんですよね。どうして鍼を始めようと思われたのですか?

まだ不妊治療初期段階で、少しでも体をよくできないかと思って。検索して漢方とか見つけたんですけど、なにかしら都合を考えたら鍼ということになって、それで試してみようと。

最初の鍼灸治療院はどのように決めましたか?

不妊専門ということと実績の口コミをみて。

どんなことをしたか覚えていらっしゃいますか?

一回、大先生(?)が来て「流しましょう」みたいな感じでお弟子さんが鍼を打って、電気の灸で終了。最初に行った時は(火を使う)もぐさの灸をやってもらったんですけど、2回目からは電気の灸に。

冷えがそんなにつよくなかったのでしょうか。

最初は説明のためにもぐさを使ったお灸をやってもらって、それで(もぐさを)ちょっとくれて「お家でやってください」みたいな感じで。切った生姜かなんかで。それで鍼灸院では電気(の灸)。けど家でやったんですけど、臭いとか大変でなかなかできなくて(笑い)。

生姜も準備して煙が出るとなるとご自宅では大変ですね。4ヶ月間通ってみていかがでしたか?

たくさんベッドを並べてカーテン越し、全部会話が筒抜けで……(笑い)。あとぜんぜん関係ないんですけど……【割愛いたします】……なんか気分的に(笑い)。

そういうこともあって行かなくなったんですね(笑い)。

移植、妊娠

Wクリニック3回目の採卵で、採れた2個のうち1つが胚盤胞になって凍結、それを移植して妊娠されたんですね。この時、移植後8日目に通院されて妊娠がわかりました。

はい。でも通院する2日前くらいにチェッカー(妊娠検査薬)が1つ余っていて、それでちょっと「どうせ……」という気持ちでやってみたら、少し(反応が)出たので「あれ!?」と。《(陽性の)線って本当に出るんだ》って(笑い)。一度も出たことなかったので。一応主人にも伝えたんですけど、今までのことがあるから「過信はできない、落ち着け」みたいな(笑い)。

それで落ち着いて(笑い)通院してみたら陽性が出て……

「よかった、よかった」と。それでえーと……妊娠すると出る数値ってなんでしたっけ?

HCGですね。HCGは8日目で60以上ありましたね。

そうですそうです。それと他になにかのホルモンの数値が上限を振り切れていたから「結構あるから問題なさそうだ」と。

P4(プロゲステロン)?

そうかな。忘れちゃった……(笑い)。それでそのホルモンと年齢との関係の出産率も教えてくれました。確か80%くらいだったかな。

それを聞いてだいぶ安心しましたか?

だいぶ安心しましたね。

Wクリニックの卒業は9週でされてますね。

心拍確認してそのまま卒業。心拍確認までは”ハラハラ”で。会社のビルの中にレディースクリニックがあるんですけど、すごく心配だったから「ちょっとお腹が痛いんですけど」って言って一度診てもらって。「妊娠しているんですけど」って言って診てもらったら「ちゃんといますよ」みたいな(笑い)。

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実際お腹は痛かった(笑い)?

あんまり。嘘をついて(笑い)。その頃、心拍確認までは長く長くて。

長く感じますよね。その時、当院の治療の際にも同じようなことをおっしゃっていましたね。

そういえば、まだ自分でチェッカーを試してみる前に、ここで脈を診てもらって「いいかもしれない」と。

あぁ、言ったような気がします。あの後、ドキドキしていました(笑い)。

(笑い)それを励みにして。

マタニティークリニック

それからAクリニックに転院されています。そちらを選んだ理由は?

無痛分娩をしたくて、それを基準に探していたら近辺で3つくらいしか見つからなくて。

市内には無痛分娩をする所はありましたか?

これからオープンという所があって、仮予約のメールを出したんですけど「返信する」と書いてあったのにメールが返ってこなくて不安になって(笑い)。電話はまだ開院前で通じなかったんじゃないかな。それでそこはやめようと。他の候補で費用を一番に考えてAクリニックへ。

通いやすさは?

ちょっと考えたんですけど、バスで行けるからいいかなと。

妊娠中

妊娠中も2週に一度のペースで当院に来てくださっていますが、どんな点でお役に立てたでしょうか?

治療もありますけど、やっぱりストレス解消、単純にマッサージをしてもらえるだけでもすごいありがたいので。それプラス、やっぱりちゃんとした東洋医学でやっていただける安心感ですかね。

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16週以降から運動もされてますね。マタニティービクス、マタニティーヨガはどちらでされてましたか?

専門のスタジオで。水泳も自己判断で勝手にやってましたね。マタニティービクスはなんだかんだ普通のとほとんど一緒でした。

かなり動く?

はい、走ります、跳びます(笑い)。今まで行っていたのと同じなので《ジムでもよかったんじゃないか?》とちょっと思ったけど、安心なので(笑い)。

出生前検査

出生前診断の検査は受けようと思った?

受けようとちょっと思っていて「病院の方から検査しますか?」と言ってくれるのかなと思っていたんですけど、やろうと思っていたら週数を超えてタイミングを逃した感じ。まさか自分で選択するものと思わなくて。むくみを測るのもあるじゃないですか、えーと……

NTですね。

そうですそうです。胎児ドックは必須だったんですけど。首のむくみは測ったのかな。

胎児ドックで測ったんじゃないですかね。

たぶん胎児ドックで問題なかったから、大丈夫じゃないかなと考えてその話が出なかったのかな。

不妊治療を振り返ってみて

途中で治療のやめ時などは考えましたか?

休むことはあったんですけど……頭で《不妊治療は40歳まで》とか考えていたんですけど、たぶん子供ができなかったらそれを過ぎてもやっていたと思います。

食事とか気をつけていたことはありましたか?

玄米を食べるとか読んだりして勉強はしたんですけど、そういうのを考えて頭が全部そっちにいっちゃうのが嫌だったので、基本食べたいものは食べるようにしてました。

カフェインも?

ガブガブ飲んでました(笑い)。バケツ一杯飲まなきゃいいか、みたいな。コーヒー好きなんで。ストレスを溜めるほうがよっぽど体に悪いなと。

ホルモンを整えるハーブティーも結局飲まなかったんですよね。

煮出すのが面倒くさい(笑い)。何事も適度にやればいいかなと。

運動もされてましたね。

運動すると血流が良くなって卵にも行くから、集中的に採卵前とかにやってましたね。

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それで移植後は運動をしない。

移植後は”笑う”。妊娠した時は確かにすごいゲラゲラ笑っていたんですよね。面白いお笑い(番組)があったんで(笑い)。

不妊治療をしてみて何か治療に対して認識の変化や気づいたことはありますか?

体外受精をする前と後では、お金・時間・体の負担が雲泥の差、別物ですね。人工授精はもう不妊治療じゃないんじゃないかと思うくらい(笑い)。テンションの違いも。

ご主人もアンケート用紙にそういったことをご記入くださってましたね。

そう「人工授精で様子を見るのは非効率」と(笑い)。私個人の意見であれば、結果が出るんだったら、「治療のやさしさ」とか「先生が親身になってくれる」とかよりも、早く結果を出して欲しいっていう感じですかね。最初はやっぱり高度治療をするのは躊躇……そこまで行くとも思っていなかったし、《そこまでして(子供を)欲しいのかな?》という気持ちもあったんですけど、いざやってみると終わりも見えないし、だったら高度の治療を感情を入れずにでも”サッサッサッ”とやって欲しいと。

不妊治療をしている方、これからしようとする方にメッセージはありますか?

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(子供が)できなかったらどうしようじゃなくて「できなかったらこういうことができる」ってポジティブに。「二人でも別に楽しい、旅行とかいっぱいして暮らそう」とか考えたりして気を紛らわせたりしてました。「そういう生活も悪くないなぁ」と思っていて、旅行とかも予約を入れちゃったら(子供が)できちゃった。もしかしたらと思って結構ギリギリまで予約を入れていたんですけど(笑い)。

(子供が)いなかったらこんなこともできる、それも意外に悪くないな、と思ってもいいんじゃないかな。周りを気にしちゃうと……子供を抱いているお母さんとか気になってたし、できないまま終わるのかなとネガティブにもなったりしたんですけど、やっぱり……「いなかったらいなかったで楽しいじゃん」と考えるのも一つの手かもしれない。やれることはやって、あとはもうご縁。無事に産めたからこう言えるのかもしれないですけど。

今日はありがとうございました。

あまり覚えてなくて、とんでもないです。ありがとうございました。

ご主人様からのアンケートのご回答

想像以上に大変。正しい知識を得ることが大切と感じた(女性は35歳以上で確率が下がるとか、男性にも問題があるかもしれないなど)。失敗した時のこころと金銭的ダメージは非常に大きいので、可能性の高いことから積極的に試すべき。人工授精で様子を見るなどは非効率的。それぞれの夫婦のペースや体調もあるので、難しいことだが、あまり他者を比べないほうがいい。最もつらく大変なのは女性だと思うので、男性はとにかく献身的かつ前向きに取り組むべき。

ご回答ありがとうございます!

聞き手の感想

体を動かすことが好きなな弓下さん。ご自身の体をよく把握し、治療中から出産までジムやヨガ、マタニティビクスなどに挑戦されストレスもうまく発散されていた印象です。そのためもあってか、体のほぐれ具合も良く、冷えなどのトラブルもあまりなかったように感じます。暖めるというよりも滞りをとることを念頭に治療をいたしました。

通い始めてから妊娠まで約50回ほど通われ、ご出産後も定期的に鍼灸治療を受けていただいています。息子さんが半年を過ぎたあたりから一緒に水泳も始められて、さらにアクティブにお過ごしになっています。

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