顔面神経麻痺の鍼灸治療 女性のための鍼灸サロンvvB

なるべく早く耳鼻咽喉科（または脳神経外科・内科）に行って診断してもらい治療を開始してもらいます。どんなに忙しい方でも治療を最優先に考えてください。しつこいようで申し訳ありませんが、とにかく初期段階の治療がとても重要です。

診断を受けてベル麻痺やラムゼイ・ハント症候群という病名が確定したら、発症したばかりの急性期においては、炎症や浮腫を改善するために副腎皮質ホルモン（ステロイド）剤を使います。また抗ヘルペスウイルス剤で原因となっているウイルスの増殖を防ぎます。そのほかビタミンB12で神経再生の促進を図ります。症状が比較的軽いベル麻痺の場合はこのビタミンB12だけで様子をみることがあります。

急性期の治療後に、顔面神経麻痺の状態をみて、重い顔面神経麻痺であれば、星状神経節ブロックや顔面神経減圧術などの手術や、顔面神経麻痺の後遺症にはボツリヌス毒素療法や顔面神経管開放術を行う場合もあります。

顔面神経がどこでどの程度障害されているかによって症状やその回復には個人差があります。末梢神経を刺激すればするほど回復が早くなるという訳ではありません。末梢神経の回復はデリケートなものなので、マッサージやリハビリなどを行う場合、過度に強く運動訓練をしたり低周波通電療法などをすることは後遺症を招くので避けた方がよいと言われています。

医療機関での治療方法について一つずつ説明していきます。

主な薬物療法

• 副腎皮質ホルモン（ステロイド）剤：リンデロン、プレドニン、プレドニゾロン等
• 抗ウイルス薬：バルトレックス、アシクロビル等
• 神経賦活剤・ビタミンB12群：メチルコバラミン（メチコバール、レチコラン、メチクール）等
• 血流改善薬：アデホスコーワ、トリノシン等

混合ガスの吸入

血流改善のために行います。酸素・二酸化炭素の混合ガスを吸入します。

星状神経節ブロック

星状神経節ブロックはいわゆる麻酔です。交感神経を遮断して血管を拡張し顔面神経への血流を改善します。

ボツリヌス毒素療法

ボツリヌス毒素療法は、顔面神経麻痺の後遺症の改善のために行うもので、顔面に数ヶ所注射をします。病的共同運動や痙攣などの筋肉の異常な動きを抑えるために行いますが、持続期間が数ヶ月程度なので繰り返し治療を行う必要があります。また徐々に効きにくくなることがあります。

顔面神経管開放術（顔面神経減荷術）

顔面神経管開放術は、薬物療法で治癒しない場合に行う、耳の付け根の部分から行う外科手術です。骨の中で炎症が起きて顔面神経が圧迫されてしまい、血流も少くなってしまうことがあります。近くの骨を削り顔面神経を開放（減荷）します。術後は耳の中に水や血がたまり、一時的に中耳炎のような状態になり聴覚に異常が起きる場合もあります。

では次に東洋医学での顔面神経麻痺の治療方法について説明します。