心地よい眠りへ

「私なんだかよく眠れないの」「私は寝ても寝ても寝たりなくて疲労がなかなかとれないんだ」

先日カフェでこういう会話が聞こえてきました。みなさんはどちらかにあてはまりますか?

特にこの時期は交感神経の働きが活発になる為、昼間の緊張が取りきれず夜はなかなか眠りに入れないという方も少なくありません。仕事や人間関係などストレスによって神経が高ぶっているのに加え、「眠らなきゃいけない!!」という焦りから益々目が覚めてしまうため眠れぬ夜が続いてしまう…眠れない当人にとってこんなに辛いことはありません。

私も以前眠れない夜が続いたことがあり色々試してみましたが、眠れない時には昼間の緊張を取ることから始めてみるといいと思います。

まずは入浴から。

ぬるめのお湯に好きな香りのオイルを数滴たらしゆっくり大きく深呼吸をしましょう。眠れないという方に共通しているのは呼吸が浅いことです。ゆっくり深呼吸することによって身体が忘れていたリラックス感を気づかせてあげましょう。入眠に導く効果の高いエッセンシャルオイルには、、ローズ、カモミールメリッサ、マージョラム、ラベンダー等がありますが、ご自身がホッとする香りや、嗅いだ瞬間に「気持ちがいいー」と思う香りは今、身体にとって必要な香りである場合が多いので直感を信じて試してみてください。

寝る前の一杯のハーブティーもお勧めです。
《バルサム》 レモンバームともいわれるこのハーブは神経の緊張と不安、それに伴う神経性消化不良を静めるのに役立ちます

《カモミール》 不眠症、神経性消化不良、恐怖症などの鎮静効果のあるハーブで、抗炎症作用、月経痛にも効果があります。

ぐっすり眠れる本(マイケル・ヴァン・ストレイトン・著  島津 智・訳)の中の快眠16の法則より

  1. 全ての迷信を無視すること。夢を見なくても発狂しません。眠らなくても成長します。
  2. 自分自身の体内時計を調整すること。何時に寝ようが毎朝同じ時間に起きなさい。
  3. 普通の”量の睡眠などありません。あなたに必要なものが必要量です。
  4. 喫煙の習慣があれば、少なくとも深夜はタバコなしですますように。
  5. カフェイン摂取量をかなり減らしてください。カフェイン抜きの代用品を見つけましょう。
  6. 空腹でベッドに入らないことと、脂っこい消化不良の食物を胃の中に詰め込まないように。
  7. ベッドの温度は暑すぎず寒すぎず。寝間着、夜着は肌触りがよく気持ちの良いものを。
  8. 寝付くのにアルコールに助けて貰わないこと。
  9. 痩せ薬や、失敗ダイエットを続けないように。
  10. 温かい風呂に15分間浸かりリラックスできるハーブの抽出液を少し使用すると大変効果があります。
  11. リラックスの技術(マッサージやストレッチなど)をやってみましょう。
  12. 体重をコントロールしましょう、定期的な食事時間を守ってください。夕食は特に重要です。
  13. 息切れがする程度の事を毎日30分やってみて下さい。
  14. 深く考えすぎないでください。特に昨日、先週、昨年の事にエネルギーを注ぐのはやめましょう。
  15. 最後に夜の休息が不安によって追い払われたときには思い切って起きてください。眠くなるまでベッドに入らないように。

個人的に効果があったのは2番の何時に寝ても同じ早い時間に強制的に起きるようにしていたら、そのうち体が疲れ自然に眠れるようになっていました。最近なかなか眠りに入れないという方はこのうちのどれか一つでも取り入れてみてください。

また寝ても寝ても寝たりない方には夢をよく見たり、疲労がとりきれず残っていると感じる方が多いようです。今日から規則正しい生活を心がけ体内時計を調節しましょう。寝る前にストレッチやアロママッサージで体の疲れを取る事も大切です。そして、心がワクワク活き活きするような新しいことに挑戦してみるのも良いかもしれません。

優しい顔になったね

久しぶりに会ったお友達に「顔が昔に比べて優しい顔になったねー」と言われ、喜んでいいのか悲しいのか複雑な気持ちになったことはありませんか?

この「優しい顔になった」はサロンに初めていらっしゃるお客様の動機の一つになっているようです。ゆっくり自分の顔を見ることもなく日々の忙しさに流され、自分の事はついつい後回し。友人の言葉でいつもより意識して自分の顔を見てみると、そういえば全体的になんだかもったりとした感じ…?以前はあごのラインがもうちょっとすっきりしてたのにな…目元もこんな感じだったっかな…?両手で顔全体を上に引き上げ、そうそうこんな感じだったのよね…と鏡の中の自分と会話してみたり…

顔の「老い」は、輪郭の変化から始まります。10代20代前半の頃の写真と比べると、ほとんどの方は輪郭、特にあごのラインの変化に気づくと思います。 この変化は皮膚のたるみが原因といわれ、そのたるみとは皮膚細胞間の結合が緩んでくるため皮膚が弾力を失い同時に筋肉も衰えて皮膚を支えられなくなる為に起こる老化現象の一つです。また輪郭だけでなく鼻のわきあたりの毛穴が最近目立ってきたような気がする、というのもたるみが原因です。丸だった毛穴が下にひっぱられ縦長の円になった状態をイメージして頂くとわかりやすいかもしれません。

対策としてはお肌に水分をたっぷり与え、血行をよくし、新陳代謝を活発にすることが大切になってきます。日々の基本的なお手入れの中でも乳液やクリームをつけるとき顔の中心から外側に向かって手のひら全体でのばしたり、顔全体を軽く指先でトントントントンと叩くだけでも効果的です。

気になる方は、早速今晩から試してみましょう。今日の自分の行いが、明日の自分をつくります。

自分自身をいたわっていますか?

今朝も寒かったですね。日中はお日様が出ていたので良かったのですが帰り道はマフラーをしっかり巻いて手袋をして帰ってきました。
こういう日が続くと、いつも元気な方でも体調を崩してしまうのもむりないと思います。私が属している経絡治療学会で一緒に勉強している先生も先日の勉強会の時「なんだか最近疲れやすいんです」と話していました。

今回は自分でも押せる疲労回復に効果的な経穴(ツボ)をご紹介します。

足三里(あしさんり) 疲労回復の代表的なツボです。膝を立てた状態でひざのお皿の下、指4本目あたり、すねの外側を強めに押してください。千年灸などのお灸も効果的です。

湧泉(ゆうせん)足指を全部つかんで足底側に曲げると足の裏に「人」の字が現れます。その交点にできるくぼみが湧泉です。このツボを刺激すると生命エネルギーが湧くというつぼです。このツボを中心に土踏まずを3分程親指でぐいぐいと揉んでください。

労宮(ろうきゅう)手を握ったときに中指が手のひらにあたる場所です。押すと痛みを感じる方もいらっしゃるかもしれません。強めにゆっくり押しましょう。心が疲れた時(しんろう)に効果的です。
余談ですが、緊張したら手のひらに「人」という字を書いて飲み込むとよい!と聞いたことがありませんか?個人的な意見ですがそれは手のひらの労宮を刺激するから緊張緩和に効果があるのだと思います。

どうでしょう押してみました?痛かったですか?気持ちよかったですか?
湯船に使っている時、テレビを見ている時、寝る前など、生活スタイルに合わせて取り入れてみてください。
継続は健康なり !

芽吹き時(めぶきどき)と私たちの体調

あっという間に3月になってしまいました。昨日は大荒れのお天気でしたね、私の折りたたみの傘は無残な形に変形してしまいましたが、みなさんは大丈夫でしたか?

先日、お客様とのお話で、「芽吹き時」という言葉が何度か出てきました。東洋医学の陰陽五行説によるとこの時期のことを啓蟄(けいちつ)といっています(3月6日頃から春分まで)。暦便覧には「陽気地中にうごき、ちぢまる虫、穴をひらき出ればなり」と記されています。冬の間お休みしていた虫や植物が暖かい日差しとともに動き、芽を出す時期ということなのでしょうが、この時期私たちにとっては季節の変わり目、体調やお肌や心が変化しやすい時でもあるのです。

サロンに来ていただいているお客様にもこの季節が苦手という方が結構いらっしゃいます。体のだるさや、背中や頸や頭部の重苦しさ、疲れがなかなか抜けない、眠れない、眠りすぎる等 身体に出る方。イライラしたり、不安になったり、悲しくなったりと気持ちの浮き沈みが激しい等、精神面に出てしまう方。中には「 自然の力、植物たちの持つ生命力に脅威を感じてしまう」とお話して下さったお客様もいらっしゃいました。

春先は気温の上昇とともに 体内環境の調節が難しく、身体が気温の変化にうまく対応できず体調が崩れやすくなります。

東洋医学には自然界と人体を、木・火・土・金・水(5行)にわけてそれぞれを季節や体の臓器などとして表し特徴づけている5行学説というものがあります。ちなみに「木」を 例としてあげてみます。5行学説の5季では『春』、5臓では『肝』5味では『酸』5志では『怒』をあらわします。詳しくは今度お話しすることにして、つまり「春」は肝の働きが活発になる時ということになります。臓腑概説で『肝』は判断力や計画性などの精神活動を支配し、身体の活動を円滑に行わせたり休息を指揮するといわれ、そのため『将軍の肝』ともいわれています。肝心要・肝腎要(かんじんかなめ)もよく使われている言葉ですよね。

肝がしっかりしていれば、内外の変化にすばやく対応して適切な行動がとれるのですが、気候の変化や暴飲暴食、休息の過不足、極度のストレス、外傷(怪我や手術)などでバランスが崩れるとイライラしたり、逆におどおどしたり安眠できなくなります。その為、気血のめぐりが悪くなり、頭痛、耳鳴り、めまい、月経異常として身体にあらわれてきます。

この時期を上手に乗りきる為にどうすればいいのでしょう?
私なりに考えてみました。

  1. 何事も程ほどに、頑張りすぎないこと。
  2.  ゆっくり入浴し、早めに休むこと。
  3. 自分の時間(好きなことをする時間)を持つこと。
  4. 気の合う人達と会ったり食事すること。
  5. 体を冷やさないこと。
  6. 季節のものを意識して食べること。

忙しすぎてとてもそんな時間が取れない~という方は

  1. 頑張っている自分を毎日褒めてあげること。
  2. 時には自分にご褒美をあげること。
  3. 暴飲暴食は控え、よく噛んで食べること。
  4. 一人で抱え込まないこと。
  5. 体を冷やさない事。
  6. 季節のものを意識して食べること。

薬膳料理で『春』は酸味と甘味をバランスよく組み合わせた料理を勧めているようです。単純な私は今日は酢豚にしようかしら?と思ってしまいましたが…『酸』と『甘』を組み合わせたメニューを色々試してみるのも良いかもしれませんね。

そして今すぐできること、何よりも身体の声を聴いてあげて欲しいと思います。自分を癒すことからはじめましょう。
たとえ最近なんだかイライラして怒りっぽくなったり何もヤル気がおきなくなった自分がいたとしても責めないで欲しいと思います。一人で悩まないで、家族やパートナー仲の良い友人に相談してみてください。また、みなさんの周りにつらそうな方がいらしたら、ゆっくり話を聴いてあげて欲しいと思います。親しい方なら、背中をなでたり肩を揉んであげるのもお互いのエネルギー交換ができるのでおすすめです。

「自分に優しく 人にも優しく 」
自然と調和しながら、ゆっくり焦らず前に進んでいきたいものです。

(医道の日本社 東洋医学概論参照)