東洋医学の月経前症候群(PMS)と鍼灸治療

原因とその症状

東洋医学において月経前症候群(PMS)は、が深く関係していると考えられており、気滞血瘀証や寒証の方に多いとされています。「腎」にはストレスに対抗する力を高める働きがあるため、症状が強くあらわれるときは、この「腎」の働きが弱くなっていると考えられます。

証の分類による症状の違い

気滞血瘀証
お腹に空気が溜まっている感じがする・腹部の疼痛・よくため息をつく・月経不順など
寒証
腹部の疼痛・下痢・四肢の冷えなど
腎陰虚
腰や膝がだるい・頭がボーっとする・脱力感・寝つきが悪くなる・ほてりなど
脾胃虚弱
むくみ・胃もたれや張っている感じがする・軟便など

栄養をとる大切さ

腎では生まれながらに持っている気を貯めていますが、私たちは食べものからも栄養を摂り気や血などを補っています(「後天の精」)。 この後天の精をつくるために、「」や「」の働きが関係してきます。 よく「ご飯を食べないと元気が出ない」といいますが、まさにこの考え方で、胃や脾の働きが弱くなったり偏った食事で栄養がきちんととれなくなったりすると、月経前にむくみや軟便などの症状が出てしまいます。

よく使用される漢方薬

鍼灸治療の方針

冷えの改善や気血を補うツボなどをその時の状態にあわせて慎重に選び、鍼灸治療をしてまいります。また自律神経や内分泌系の機能を調整する根本的な治療と諸症状を改善・予防する対症的な治療を同時に行うことで、体質の改善をはかります。

症状の改善があらわれる期間は個人差がありますが、2週間に1度のペースでも少しずつ症状の緩和が実感できます。月経前症候群(PMS)は鍼灸治療がとても有効な疾患です。つらいので早く治したいとは思いますが、長い目でじっくりと治療を受けていただければと思います。

主に使用する経穴(ツボ)

症状や体質によって多少変わりますが、主に以下のツボに鍼灸治療を行っていきます。

養生法

食事

生もの、脂っこいもの、辛いものや甘いものは適量をこころがけてください。また、身体にいいからと同じものばかりを食べるのではなく、バランスが大切になります。食べ過ぎや飲みすぎにも注意してください。

○:味噌などの大豆食品・豚肉・ほうれん草・玄米・さけ・ひじき・のり・ごま・オリーブオイル・紅花・よもぎ・しそ・あさり・きくらげ

×:チョコレートなど甘いお菓子、デザート・ビール・加工食品・脂身の多いお肉類・漬物など塩分の多いもの

生活習慣

有酸素運動
運動(特に有酸素運動)や質の良い睡眠が大切です。週1~3回程度の有酸素運動が理想的ですが、運動をほとんどされていない方は少しずつ回数などを増やしていくと症状の緩和に繋がります。
ストレスを溜めない
ストレスも原因の一つですのですので溜めないようご自身に合ったリフレッシュ方法を探してみてください。
入浴
熱い温度ではなく、ゆっくり入れる温度(湯冷めしない程度)で身体の中から温めてください。お好みの香りを入れるとストレスの改善にも効果的を発揮します。

月経前症候群(PMS)でお悩みの方へメッセージ

女性のほとんどの方が生理前に何らかの症状があらわれると言われています。「胸が張ったり痛みが少し辛いけど我慢できるから大丈夫」と思わず、生理前でも快適に過ごせると気持ちや表情も自然と明るくなると思います。

そんな気持ちに一人でも多くの方がなっていただけますよう、できるかぎりサポートしてまいります。

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